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右手の親指側の盛り上がった肉の腹、ほくろのようなものがあることに気付いた。すいばりのようなものかとつねっても手ごたえはなく、痛みもないので数日放っておいた。自分の体に新しいものを見つけるということを暫くしていなかったのでしげしげと眺めていたけれど、母親に見せたところやはり見覚えがないということで針で穴を開けてみた。自分の認識よりも肉親の方が認識の度合い/違和感の度合いが強いと思うけれどどうだろう。みんな自分の目に届く範囲の体表のことは把握しているんだろうか。

皮膚に針を通して、若干痛覚を刺激してくるところまでほじくりまわしてみて、なんとなくこれは血豆のようなものだと判断する。新しく血は出たけれど、1か月もすればもう何もなくなるのではないかな。それとも正しくほくろとして体表に居座るのだろうか。その黒い点の左下(掌を上に向けて見て)にも黒い点があって、これはつついてみるとすいばりだった。皮膚ごとちぎったのでこちらはもう何もなかったふうになっている。

 

ところですいばりというのは方言らしい。信じられないね。

初めて方言だと知ったときから今まで、すいばりを形容するのにすいばり以上に適した言葉はないと思っているのだが、関東の人に「畳や戸口で毛羽だった繊維が刺さることをなんというか」訊いてみてもトゲという回答はあってもすいばりとは言ってこないので、やはり日本語の上で共通語にはなれないらしい。トゲはね、違うんです。トゲっていうのはもっと大きいもののような感じがする。これを打っている今も、すいばりが吸いバリと変換されるので非常にやりづらい。といってもこのパソコンの変換はいつも変てこな漢字だったり言葉の区切りになったりで、チャットやツイッター等即時的なレスポンスを求められるツールを使っている時に自分の思考をスムーズにトレースしてくれないので参考にならない。案外他のパソコンだとすいばりをすいばりとして入力できるかもしれない。