夜、家の前の道を下っていく。街灯があまりないため月明かりと手元のタブレットの明かりに頼る。ヒールの高い靴で一日中立ち続けたように、足指の付け根の部分が歩くたび痛み、連動して頭痛もしていた。大きな道に合流したところで足の痛みが限界に達し、家…

起きてスマホの画面を見ると8時31分で、始業は8時半からなので、もうすでに遅刻している。最近気持ちがだれているかもしれない。起き上がったが頭の回転は鈍く、惰性で服を着替えて歯を磨き、顔を洗って外に出る。開き直りそんなに慌てない。毎週水曜日は地…

家庭科の授業を受けているのだが、内容が延々とゲームの歴史ばかりなので居眠りしてしまい、頭に入らない。女性の教師にDS等でゲームした経験はあるのかと訊かれ、ないと答えると困り顔でテスト範囲だから頑張って暗記しなさいと言われる。友人に試験はどう…

屋根裏に動物が住みついて、騒音に困っていたので屋根を開けることにした。畳の間に脚立を置き、祖父が屋根を切り開いていく。雀やねずみや、小さなものが天井の梁に見え隠れしているその中に、ひときわ大きく美しい姿があり、目を凝らしてみれば孔雀だった…

遅刻しそうなしなさそうな微妙な時間に目が覚めて、もう0限はこのまま欠席しようかと思っているのに着替えの手は止まらない。確か月曜日は3限に外で体育があった、体操着も忘れてしまえば見学できるので、覚えていないことにしようか。目の前の箪笥には緑色…

兄と連れだって兄弟で旅に出る。豪奢なホテルに荷物をたくさん持ち込んで、ひととおり遊びまわる。緑色のりんごを持つ兄はこれをみんなに見つかってはいけないと言い含め、一方で大麻を勧めてくる。神経質で、いつも周囲に気を張っていて、弟を指導してくれ…

自宅前の空き地、昔井戸があったところは草が生い茂っている。誰かが箱を開けて2匹の猫(犬だったかもしれない)を差し出す。敷き詰められた綿の上の猫は、ジンジャークッキーのような、出来そこないのフェルトのぬいぐるみのような、茶色く平べったい様相で…

女と暮らす男の視線から。家を買って女と住みつく。色気のある女で、私を好いてくれるという。古ぼけた家には戸が壁の至る所にあって全体を把握できていないが、掃除用具入れの奥に扉があるのを見つけて押し開くと寝室とダイニングが一緒になった部屋に繋が…

山々から白く煙が立ち上っていた。夕方のぬるい風が吹き抜けて、湯気のように緑茂った斜面から最初はとろとろと、次第にもうもうと煙がくゆっていく。地面の熱と風の冷たさの差によるものらしい。珍しい現象だ。これは写真に収めたい、カメラは持っていない…

夢 皮膚病の馬が屋根のある小屋に繋がれていて、通路はその馬の口元に届くか届かないかに渡されている。馬は時々人間になるようだ。観光客なのか、二人の若い女性が草っぱを与える。皮膚が爛れてもうほとんど毛のない馬は、涎を垂らしてそれを食べる。当然触…